研究プラットフォーム
設定が完了したら、追跡するためのボタンを押すだけで簡単にトライアルを実行することができます。 EthoVision XTはビデオトラッキング・ソフトウェアですが、それ以上に、長年にわたってラボの中核、研究プラットフォームとなるように設計されました。
研究を自動化する
実行するトライアルがたくさんあるときは、効率的に作業を進めるためにいくつかのことが役立ちます。 研究を自動化するということは、動物の行動に手書きで注釈を付ける必要性を排除すること以上の意味を持ち、ハイスループットとハイコンテンツ・テストを意味します。複数のアリーナで複数の動物を同時にテストし、それらの動きや活動を測定するだけでなく、外部データと行動イベントをトラッキングデータと組み合わせて、1回のトライアルから多くのデータを取得することができます。また、EthoVision XTを使用して、他のソフトウェア(例えば、水族館の横のスクリーンでビデオを再生する)や、ハードウェア(ペレットディスペンサー、自動ドア、サウンドジェネレーター、ライト、オプトジェネティクス機器など)と組み合わせての解析も可能です。
ワークフローの自動化
EthoVision XTには、トライアル後にコンピュータに戻らなくてもトライアルを効率的に実行できる便利な機能がいくつかあります。 EthoVision XTがライブビデオフィードから一連のトライアルを自動的に取得できるようにすることも可能です。
例として、水迷路実験を行う場合、動物が水中で検出されると直ちにそれを追跡し、合計60秒間追跡するようにEthoVision XTを設定します。 また、トライアル間隔を10分に設定します。 これは、動物を取り除き、清掃し、次の動物をプラットフォームに導く時間となり、10分経過すると自動的に次のトライアルが始まり、動物が検出されます。 コンピュータに戻って取得する必要はありませんので、動物や実験に集中することができます。
バッチの取得と分析は、事実をスピードアップするのにも役立ちます。 処理するビデオがたくさんあり、コンピュータに戻ってトライアルを開始したり、各分析を開始したりしたくない場合は、ビデオを並べて、適切な分析プロファイルを選択するだけです。 ボタンを押してコンピュータから離れても、戻ったときにデータはすでに準備されています。
複数のアリーナを追跡
EthoVision XTを使用すると、複数のアリーナを同時に追跡することができます。 つまり、1つのカメラの下に最大100個のアリーナ(ケージ、迷路、ペトリ皿など)を置き、それぞれのアリーナで同時に追跡することが可能です。 また、アリーナを隣同士に置くことができない場合や、異なる部屋で実験を行うなど、1台のカメラだけでは難しい時には最大4台のカメラを接続することもできます。
行動事象
座標とタイムスタンプのように、データを追跡することで、動物の行動に関する多くの情報を得ることができます。 速度やアリーナの特定の部分に入るための待ち時間、移動距離など、手動で収集するのが難しい時は、複数のボディポイントを使用し、回転運動、方位、特定の対象物への関心、などのパラメータで収集することができます。
多くの研究では、この種の行動事象が重要な役割を果たします。 EthoVision XTには、ソフトウェア中に手動イベントレコーダーが含まれており、実験中や実験後に行動・その他のイベントを指定してスコア付けすることができます。ラットおよびマウスについては、10項目の行動の自動認識が利用可能です。
外部データの統合
EthoVision XT は生理学データ、例えば心拍、血圧、神経活動、および体温; および周囲温度などの他の外部データを統合し、すべてのデータを組み合わせてデータの選択、視覚化、分析を行うことができます。
ソフトウェアとハードウェアの制御
EthoVision XTを使用して、他のプログラムや機器を制御することもできます。 例えば、視覚刺激(他の種、他の形や色の同胞、捕食者など)を表示し、被験者の反応を測定するために、画像やビデオファイルを使用する研究もあります。 EthoVision XTにそのプレゼンテーションの再生を開始するコマンドを送信させることができます。 また、ペレットディスペンサーやライトなどの機器を制御するためにEthoVision XTをプログラムすることもできます。 ハードウェアイベントのフィードバックもEthoVision XTに送信されるため、データの選択や分析に使用できます。
広範な分析オプション
EthoVision XTは、データ収集マシンであるほか、結果へのデータの処理にも役立ちます。 広範な分析オプションがありますが、もちろんお好みの統計プログラムにデータをエクスポートすることもできます。 また、EthoVision XTは様々な方法でデータを視覚化します。グラフや表に加えて、統合されたビジュアライゼーション、トラック、ヒートマップのスクリーンレコーディングは、論文やプレゼンテーションで使用されるデータとなります。